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ビタミンC誘導体は何に溶ける?

Last Updated on 2024年5月22日 by スキンロジカル スタッフ

こんにちは、スキンロジカルスタッフです。

今回は「何に溶ける?」のお話です。

みなさんご存じのイオン導入成分のエース、ビタミンCですが、このビタミンCはもともと水溶性です。
つまり水に溶ける成分で、油には溶けにくい性質を持っています。

それにもかかわらず、クリームなどの油性成分がメインの化粧品にもビタミンCは配合されています。

このようなクリームは、ベースとなる成分(基材)の油性成分のほかに水を含む場合も多くあります。
多くはこの水に水溶性ビタミンCを溶かし、油と乳化させる形で配合しています。

また、ビタミンCそのものに油に溶ける別の成分(パルミチン酸やステアリン酸など)をくっつけることで、油に溶けるようにしたものもあります。
成分に別の成分をくっつけて、別の性質を持たせた成分を、誘導体といいます。ビタミンCにつけた場合はビタミンCの誘導体となります。
(正しくは、くっつけた成分を取ればビタミンCになるものを誘導体といいます)

そんなビタミンC誘導体には水にも油にも溶けるものがあります。
APPSは成分名を

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na

といい、水に溶けるアスコルビルリン酸Naと油に溶けるパルミチン酸をくっつけて作られたビタミンC誘導体です。

そのため、APPSは水と油で守られた肌のバリア層へなじみが良く、水溶性ビタミンCや油溶性ビタミンCに比べても、肌への浸透率は上がります。
また、水溶性ビタミンCの特徴であるイオン導入が可能であり、水溶性ビタミンCで感じがちな乾燥感を、パルミチン酸で軽減しています。

このようにとても魅力的で非の打ち所のなさそうなビタミンC誘導体のAPPSですが、安定性に難があり長期保存ができません。また、ほかの成分との相性にクセがあるため、高濃度配合することが難しい成分でもあります。

そんなAPPSを一番効率よく使えるのは、使う直前に作ってとにかく早く使い切る方法です。
作ってから長期保存すると、効果の低下はもちろん、細菌の発生による肌へのトラブルの原因ともなります。

水道水で作った場合は、作成から冷蔵庫で保存して1週間程度であれば問題なく使用ができます。

正しい作成方法と保存方法で最大限に効果を出す使い方をしてみてください。

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