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ビタミンCと紫外線対策

こんにちは、スキンロジカルスタッフです

今回は「紫外線対策とビタミンC」についてのお話です。

紫外線を浴びた肌は、肌を紫外線から守るためメラニンの生成が進み黒くなり、一部はシミの原因となることはよく知られています。
そのケアには「ビタミンC」を配合した化粧品が良いことも知られています。

では紫外線を浴びる「前」にビタミンCでプレケアするのは意味があるのでしょうか。

答えは・・・

あります

紫外線の影響で肌が黒くなったり、シミの原因となったりするのは、肌の基底層に存在する「メラノサイト」で作られる「メラニン」であることはご存じだと思います。

紫外線(主にUVB)や炎症による刺激を受けると、メラノサイト内ではアミノ酸の一種である「チロシン」から様々な過程を経てメラニンに変化して肌細胞へ移動していきます。

このチロシンからメラニンへの変化は主に「酸化反応」によって行われます。
酸化反応は酸素による反応なので、抗酸化成分の「ビタミンC」をメラノサイトのある基底層に先に送り込んでおくことで、酸化を防ぎ、チロシンがメラニンに変化しないように働きかけることができるのです。

このように日焼けやシミの予防にも強い味方となるビタミンCですが、「ピュアビタミンC」・・・つまり果物や野菜などに含まれるビタミンCは空気中の酸素や紫外線によってすぐに酸化されて、酸化型ビタミンC(デヒドロアスコルビン酸)となります。
こうなるとビタミンC本来の抗酸化力を発揮することができません。

また、高濃度でピュアビタミンCを肌に塗った状態で、夏の強い紫外線にあたるとビタミンCは急激に分解し強力な活性酸素となる場合があります。こうなると逆にメラニンの発生の促進をはじめ、コラーゲンなどを破壊して肌老化を加速したり、肌トラブルの元となる過酸化脂質を増やしたりしてしまいます。

これを防ぎビタミンCの力を享受するためには、ピュアビタミンCではなく、「プロビタミンC」をケアに用いる方法があります。

プロビタミンCはプロフェッショナルなビタミンCという意味ではなく、「ビタミンC誘導体」とも呼ばれ、利点でもあり欠点でもある酸化しやすいピュアビタミンCに別の成分を合成することで、酸化しにくい性質をもたせ安定性を増したビタミンCのことです。

酸化しにくくすると利点が消えてしまいますが、肌に浸透したプロビタミンCは肌内に存在する酵素によって合成した成分(リン)が外れ、元のビタミンCの力が発揮されます。
※安定性を増す以外にも、別の性質(水溶性→油溶性など)を持たせるように合成したものもプロビタミンCと言いますが、ここではピュアビタミンCに対して安定度を高めた「リン酸型ビタミンC等」を表します。

プロビタミンCは酸化に強くなることと合わせて紫外線による急激な分解が起こりにくいため、そのままメラノサイトが存在する肌の深い部分(基底層)まで浸透していきます。
浸透したプロビタミンCはここでピュアビタミンCに変換されますが、この部分まで特性上UVBは届かないためビタミンCが急激に分解されることはなく、抗酸化力を十分に発揮することができます。

またピュアビタミンCはそのまま肌に塗っても肌には浸透しにくく、前述のとおり非常に酸化されやすい成分なので、肌の深い部分まで抗酸化力を持ったまま存在することは難しい成分です。

それに比べて、リン酸型ビタミンC誘導体は、ピュアビタミンCに比べて浸透しやすいうえ、イオン導入ができる成分でもあります。

イオン導入すると肌のより深くまで、素早く大量に成分を送ることができるため、日焼けの前後どちらも有効なケア方法です。

その他にもビタミンCには皮脂を抑える効果もあるため、プレケアとしての紫外線対策以外にも夏の化粧崩れ対策にも有用な成分でもあります。

もちろん、ビタミンCでプレケアをしたとしても、必ずしっかりとしたUV対策は必要です。
夏の強力な紫外線と暑さの対策に、日傘やUVクリームなどと合わせて、「プロビタミンC」での「イオン導入」も取り入れてみてください。


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美白

トラネキサム酸は肝斑だけ?

こんにちは、スキンロジカルスタッフです。

前回のブログでは、トラネキサム酸「抗シワ」作用があるようだという研究発表のお話をいたしました

トラネキサム酸に新しい美容効果が?

その発表会の際にトラネキサム酸に関するもう一つの作用に関する発表がありました。

まず、トラネキサム酸は、シミやその中でも特に同じ部分(頬上部)に対する継続的な炎症が原因といわれている肝斑に効果がある成分として知られており、皮膚科でも飲み薬としても処方されています

紫外線の刺激女性ホルモンなどの影響で肌がストレスを受けると、プラスミンプロスタグランジンといった刺激を伝達する物質を作ります。
この伝達物質は、メラノサイト(メラニンを作り出す細胞)に対して働きかけ、その情報を受けたメラノサイトはメラニンを作り出します。

メラニンは、その黒い色によって「肌のサングラス」となって紫外線が届くことを防ぎます。
それにより、肌細胞の破壊や癌化、活性酸素の発生などから守る重要な役割を持っていますが、反面、本来肌のターンオーバーで排出されるはずの役割を終えたメラニンが残ってしまったり、過剰生成により肌の基底部分に残ったままになると、シミやくすみといった肌悩みの原因ともなります。

また、女性ホルモンやストレスによる肌の炎症は、持続的にこのような伝達物質の生成を促してしまうため、同じ場所にできる肝斑の原因になるとも言われています。

そのようなシミや肝斑に対してトラネキサム酸は、メラニンの還元などによる美白ではなく、炎症を抑える作用とメラニンを作り出す指令をカットする作用で、シミの原因となるメラニンを過剰に作らせないという特徴を持っています。

そして今回、メラノサイト内でのメラニンの生成過程にトラネキサム酸の働きかけがあることが新たに発表されました

前述のようにメラニンを作り出すメラノサイトは、伝達物質からの指令を受けると、細胞から木の枝のような突起(樹状細胞)を作り出します

メラノサイトの中央で作られたメラニン突起の先端に運ばれて行き、そこから肌表面の角化細胞へ渡されます。

トラネキサム酸は、この生産されたメラニンが突起の先端に行くのを防ぎ、メラノサイトの中央に集めますこれにより、過剰なメラニンが肌へ放出される
ことを防ぎます。

このようにトラネキサム酸は、シミの元となるメラニンをそれ以上作らせない、そして表舞台に出さずメラノサイト内に留めるといったビタミンCなどとは違った作用を持っています。

「トラネキサム酸は肝斑だけ」と思われがちですが、このような研究結果からも新たな効果を持つ美容成分として注目されるかもしれません。

 

トラネキサム酸パウダー