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黒いものは見えないもの?

こんにちは、スキンロジカルです。

先日は、「吉例顔見世大歌舞伎」を観に歌舞伎座へ行ってきました。

 

ところで顔見世歌舞伎の「顔見世」とは・・・?

これは昔からの歌舞伎興行の名残で、翌年1年間その座元で出演契約をした役者さんが、「来年はこの劇場にこの役者が出ますよ!」というご披露をしたのが11月(または12月)の興行だった名残。

現在の歌舞伎の興行は全て松竹が行っていて歌舞伎役者はみんな松竹と契約を結んでいるので、松竹が興行を行う様々な劇場へ出演します。

昔は「○○座」という芝居小屋がたくさんあり、役者さんはそれぞれの芝居小屋と1年ずつ契約を結んで出演していたわけです。

歌舞伎座では行われませんが、京都南座での顔見世興行では「まねき」とよばれる役者の名前が書いてある木の札が劇場の入り口に掲げられます。これも年末歌舞伎界の風物詩。

このようにめでたいご披露の意味がある顔見世興行なので、お祝いのお樽も添えられているわけです。

 

実際の公演は、通常と変わりません。演目も毎年異なります。

そして、今年の顔見世興行は・・・・コロナ仕様。

8月に観劇して以来でしたが、相変わらず座席は1席おきの千鳥に配席されて(布が張ってある席は着席不可)最前列の販売もなし。飲食禁止。

これは、開幕直前の写真です・・・ガラガラ?

いえいえ、この日はチケットは完売。半分しか客を入れていないのでこんなにスッカスカに見えています。

そして、演目も約1時間程度の短い演目を完全入れ替え制で。1時間程度で8,000円ほどの料金です。

 

主催者側も相当の気の配りようで、役者さん方のブログを読むと、楽屋での飲食禁止、役者同士の挨拶禁止、客からの花や贈り物の禁止、演目は出演者数の少ないもの、と決めてあるようです。

今回拝見したのは、顔見世歌舞伎第一部「蜘蛛の絲宿直噺」(くものいとおよづめばなし)。

出演者はわずか6人です。

早変わりが沢山あるので、後見とよばれる黒い衣装を着て早変わりを手伝ったり小道具を渡す人(これも役者さんです)も数人、舞台上に後ろ向きで控えめに登場します。

全身黒い忍者のような着衣に身を包んで、黒い頭巾、顔は黒いマスクならぬ覆面(まさに飛沫対策?)。コロナ後の再開からは鳴り物や三味線、常磐津や長唄の方々も黒の覆面をされています。

 

歌舞伎では「黒いものは見えないもの」とされているので、黒装束の後見さんはまさに透明人間と同じ。無粋な白いマスクをつけるよりも、常磐津さんたちの覆面もよほど馴染んでいて舞台の世界観を壊していません。

黒いものは見えないもの。

現実世界もそんなことがあったら面白そうですね。。。

 

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歌舞伎座 幕見席で歌舞伎を観る方法

こんにちは、スキンロジカルの田中です。

正月早々の初芝居は、歌舞伎座で「壽 初春大歌舞伎」を見て参りました。

私は、歌舞伎が好きなのですが、歌舞伎ってちょっと敷居が高いですよね。

お席の料金も一番席数が多い一等席で18,000円、一番安い席(3階)でも4,000円と高いですし、

襲名披露公演や、正月公演は、更に値段が上がって一等席で20,000円になることもあります。。。。(桟敷席はもっと高いです)

しかも、午前の部と午後の部は演目が違いますから、両方観たいと思うと36,000円~40,000円になります。

でも、とてもお得に、気軽に見る方法があるのです。それが「幕見席」です。

この幕見は、外国人の観光客の方もかなり利用されています。(アジア人より圧倒的に欧米人多し)

会場の一番端、4階席(確か着席90席)がこの幕見席に当てられていて、立ち見もできます。

通常の公演では、午前、午後の部でそれぞれ2~3演目が上演されますが、その1演目(一幕)だけでも見る事ができるお席です(2演目、3演目を続けて購入してもOK)。予約も必要なく、当日直接劇場で幕見席専用チケット窓口に並んで購入します。

でも、チケットの購入方法にはちょっとした情報というかコツみたいなものが必要なのです。

今日は、それについて書きたいと思います。

今回私は、「壽 初春大歌舞伎」夜の部の二幕目『連獅子』という演目だけが見たかったのです。一幕目と三幕目は見なくて良いのに、夜の部のチケットを20,000円出して購入するのはモッタイナイ・・・そこで、幕見席で見ることにしました。

幕見席の料金は、その演目の上演時間などによって様々異なっていて、500円~2,000円程度まで。

私が行った、夜の部の二幕目『連獅子』の幕見席料金は、たった1,300円dした!!

 

★ここから幕見席のチケットの買い方と観劇方法についての<HOW TO>です★

1. 歌舞伎座のHP「歌舞伎美人」で幕見席チケットの販売開始時間をチェック!

毎月月末に、翌月の演目の幕見席チケットの販売開始時刻がHPでリリースされます。月末というか、その公演の初日の1~2日くらい前のギリギリのタイミングです。おそらく、舞台稽古を行ってみないと、各幕の上演開始時刻がわからないからでしょう。ここで、自分の見たい演目のチケット発売予定時刻を確認します。

 

2. 発売予定時刻の〇分前に列に並ばないと・・・

これはとても重要なポイントです。発売開始時間ちょうどに歌舞伎座前にいっても、既に長蛇の列が出来ていて、「売り切れです」「お立見になります」と言われかねません。

これは、観に行く日、時間や演目、演者によって異なるのですが、

・人気のある演目や演者

・土日祝日

これにあたる日は、発売開始よりずっと早くに行って並んでおかなければ着席での観劇が出来ないばかりか、売り切れになることもあります。

そうでない場合は、(例えば、平日の夜とか人気のない演目や演者の公演)、発売時間を過ぎてフラッと行った場合もチケットがあり、余裕で着席観劇できる場合もあります。リアルタイムな状況は、ツイッターでつぶやいている方がいる場合もありますので、チェックしてみてもいいかもしれません。

ちなみに今回は、私は発売開始時間の約1時間前に列に並びましたが、既に75番目でした。(整理券として番号をもらいます)着席できるのは90名ですので、整理券番号が90番以降は立ち見となります。

3. チケットを購入したら開演直前にまた集合

一旦チケットを購入したら(支払いは現金のみ!)フリータイムとなり、指定された時間(大体開演の20分くらい前?)までに歌舞伎座4階の幕見席入口へ集合し、整理券番号順に並びます。チケットを購入してから集合時間までは30分くらいしかないので、銀座でお買い物をしたら、食事をするほどの時間はなく、せいぜい地下のタリーズでお茶をするとかお土産をみることができるくらいです。

4. さあ、整理券順に入場!順番なんだけれど、やはり席は争奪戦!!

いよいよ、前の幕が終了すると整理券順に入場します。席は自由席なので、好きなところに座っていいのですが、これが争奪戦!ただでさえ観にくい4階席ですから、できるだけ見やすい席に座りたくて、皆さん右往左往。ただ、90番までの方は必ず着席せきるよう、係の方が次の番号の方(90番以降の立ち見の方)の入場をストップしておいてくれますから、席がなくなることはありません。

さて、少しでも見やすい席ですが・・・4階となるとかなり上方から見下ろすような感じになり、列も2例しかありませんので、どこも大して変わらないのですが、上手寄りに座ると、花道の7:3(役者が見えを切ったりするところ)が若干見えますので(下手側だと全く見えない)、おすすめです。

 

というワケで、ザっと幕見席での観劇の方法を書いてみました。

上演時間にプラスして、発売時刻(上演の30分以上前)、列に並ぶ時間を考えると、結構な時間を要します。

・今日は時間があるから、歌舞伎の幕見に行ってみようかな

・この演目だけをどうしてもみたいから、狙っていく

・歌舞伎座の前を通りかかったけど、今日は幕見の列が少ないみたいで、すぐに入場できそう

このような状況で出向くのがベターでしょう。

 

幕見席は、歌舞伎をこれから見てみたい、初めてという方の入門編におススメです。

興味がある役者さんの演目に行ってみてもいいし、

有名な演目(義経千本桜や菅原伝授手習鑑、仮名手本忠臣蔵など)

にいってみるといいと思います。

 

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納涼歌舞伎

こんにちは、スキンロジカルの田中です。

先日、歌舞伎座へ行って八月納涼歌舞伎の第二部を観てまいりました。

歌舞伎座の建物は、新しくなって今は高層ビルの1階に当たるのですが、やはりここは銀座に突如現れる異空間。建物前にやってくるだけでもテンション上がる―!地下鉄とも直結し、アクセスも抜群です。

 

第二部は、「東海道中膝栗毛」と「艶紅曙接拙」(いろもみじつぎきのふつつか)の二演目です。

納涼歌舞伎の第二部はチケットが完売御礼という人気でしたが、早めに友人がチケットをとってくれ、前方ではありませんが、なんとか1階席で拝見できました。

「東海道中膝栗毛」は、よく知られた弥二さん喜多さんがお伊勢への旅をする話ですね。今回は、新しい脚本と演出でのお芝居ということで、サブタイトルに<伊勢参りなのにラスベガス>とあったり、面白いんだろうな~という期待が膨らみます。チラシの弥二さんと喜多さんの顔からもう笑わせてくれます。

お話しは・・・弥二さん喜多さんが、やっぱり旅の途中でいろいろやってくれます。なぜか海を渡ってラスベガスにまで行って、これまたしくじりまくり。笑いのネタは、いろいろ。パロディーのパロディーだったり、内輪ネタ的なものもあるのですが、知らなくても十分笑えました。夏らしく、幽霊も出てきます。最後は、花火と一緒に打ち上げられてしまうおバカな二人が、ここで宙乗りとなり、とてもよくできていましたね。

ラスベガスでのシーンは、歌舞伎座というよりNYのブロードウェイ?のミュージカルのように華やかでした、役者さんがフイに客席に現れたりして、客席との一体感も。

残念なのは、客のノリが・・・だったこと(私も客の一人ではあるのですが)。歌舞伎座のお客様はやはり年齢層が高いです、平均60歳以上くらい・・・?それに、いつもの歌舞伎では手拍子したりすることはないから慣れないのでしょうが、役者さんがノリになかなか答えられない感じで、もどかしかったです。これが、関西の劇場だったら、お客様のノリはきっと違ったんじゃないかなーと思いましたね。私は、遠慮せずに大笑いさせていただきました。

 

「艶紅曙接拙」(いろもみじつぎきのふつつか)、こちらは、江戸の夏の市井の人を描いた舞踊。この演目もそうでしたが、歌舞伎を観ていると江戸の風物などをよく知ることができる場面があります。

この舞踊でも、登場人物が、朝顔売りに、団扇売りに、蝶々売り、虫売り!なんて職業まであります。あ・・・今でも、園芸店に、ペットショップもありますが。

中村橋之助さんが、「橋之助」として最後の舞台でした。私の記憶では橋之助さんといえば大河ドラマに出ていた青年?歌舞伎役者のイメージでしたが、この日観た橋之助さんは、がっしりした体躯に、いい感じのシワもありすっかり貫禄のある役者さんにでした。ご子息3人も同じ舞台に立たれ、今後も親子4人での活躍が期待されます。

これまで、歌舞伎を観ながらいつの間にか船を漕いでいることが多かったのですが、今日は「もう終わってしまった!」という、あっという間の時間でした。