こんにちは、スキンロジカルスタッフです
東京は先日桜の開花宣言も出て、あちらこちらでちらほら桜の花が咲いているのを見かけるようになりました。
先日、知り合いと食事をしているときに食べ物によって 口の中がなんとなくかゆくなることがあるという話をききました。
山芋など、かゆくなることが多い食品ではなく、たとえばトマトであったりセロリであったりするそうです。
かゆくなっても、しばらくしたら落ち着くし、必ずしも起こるわけではなく、日によって症状の出かたが変わるそうなので病院に行こうか悩んでいるのだそう。
最初は、以前記事にも書いた、花粉症による皮膚炎なのかと思いましたが、発症部位が若干異なります。
スキンロジカル スタッフブログ[2015年2月27日]
「花粉症で皮膚炎?」
後日、知り合いは皮膚科にかかり、お医者様に「口腔アレルギー症候群」と診断されたと連絡がありました。
※正しくは口腔アレルギー(OAS)の代表疾患であるPFS( クラス2食物アレルギー)です。
[ Pollen-food allergy syndrome Latex-fruit syndrome]
口腔アレルギーについては知らないことが多かったので調べてみると、今の季節に蔓延する「アレルギー疾患」とも関係していました。
口腔アレルギーは主に生の果物や野菜を食べることで発症するものですが、発症するための原因物質(アレルゲン)としては、植物自身の持つ病気や傷などから身を守るためのタンパク質と言われています。
これが同じアレルギー疾患である花粉症のアレルゲンである花粉と構造が似ている為、構造の似ている成分を持つ 食べ物を花粉症発症者が食べることで、体の免疫細胞が花粉と誤認することでアレルギーを示します。(交差反応)
ただし、すべての花粉症発症者が口腔アレルギー症候群を発症するわけではありません。
●花粉症と交差反応するとされる野菜や果物の例●
スギ
トマト(ナス科)
シラカンバ
リンゴ,西洋ナシ,サクランボ,モモ,アーモンド(バラ科),
セロリ,ニンジン(セリ科),ポテト(ナス科),キウイ(マタタビ科),
ヘーゼルナッツ(カバノキ科),マンゴー(ウルシ科) など
ヨモギ
セロリ,ニンジン(セリ科),マンゴー(ウルシ科),スパイス など
イネ科
メロン,スイカ(ウリ科),トマト,ポテト(ナス科),
キウイ(マタタビ科),オレンジ(ミカン科),
ピーナッツ(マメ科) など
ブタクサ
メロン,スイカ,ズッキーニ,キュウリ(ウリ科),
バナナ(バショウ科) など
一般社団法人
東京都病院薬剤師会
そこが知りたい 2013(平成25)年12月号より抜粋
ただし、花粉症を持っていなくても桃、リンゴ、大豆などに含まれるアレルゲンで口腔アレルギーになる場合もありますし、食物アレルギーの一部として同様の症状が現れる場合もあります。
場合によってはより重篤なアレルギーとなる場合もあるので、もし気になる症状があるようであれば、お医者様に相談をしてみてください。
アレルギーはその原因となるアレルゲンを取り込まないことが一番の治療となりますが、食べないことによる栄養バランスの偏りも問題になる場合があります。
最近広まってきた花粉症のアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法等)と同じく、アレルゲンを持つ食べ物を継続的に 少しずつ食べること(経口減感作)で治療するという方法もあるようです。
口腔アレルギーのアレルゲンは、加熱すると性質が変わり問題なく食べることができる食べ物もあり、生で食べることを避けることで口にすることができる場合もあります。
いずれにしても、場合によっては症状が強く出たり、軽い症状が重篤化する場合もあるので、必ずお医者様の指導の元に治療をすることが重要です