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着色料が重篤なアレルギーの原因に?

こんにちは、スキンロジカルスタッフです。

一歩一歩春に近づいている時期ですが、夜と昼の寒暖差や春の強風、花粉に黄砂と肌には負担がかかる時期でもあります。
基本のスキンケアをしっかりと行い、肌の不安定な時期を乗り切りましょう。


さて、先日テレビで「アレルギー」を題材にした番組を見ました。

その中でも興味深かったのが、「コチニール色素」によるアレルギーについてでした。
化粧品業界では注意喚起もあったことから、知っている方も多いかと思いますが、最近になってまた話題になることもあるので、今回はこのお話をさせていただきます。

「コチニール色素」赤色の色素(着色料)として一部を除く食品や化粧品・医薬部外品に使用されています。また、主色素の化合物(カルミン)は、食品以外の用途で使用されています。
この色素は南米のサボテンに生息する「エンジムシ」から抽出されて作られています。

日本では過去に安全性が問題となったことがある「タール色素」・・・いわゆる石炭や石油などから作られる〇色〇号といった有機合成色素に変わり、消費者の天然志向もあって天然色素といわれる「コチニール色素」が多く使われています。

しかし、この「コチニール色素」によって「急性アレルギー症状」いわゆる「アナフィラキシー」が出ることがわかり、2012年に消費者庁から注意喚起が出されました。

 


大元の消費者庁のサイトにわかりやすいページが無いため、
内閣府の食品安全委員会のページへリンクしています。
興味のある方はご覧ください。

内閣府食品安全委員会事務局 平成24年5月11日
コチニール色素に関する情報
https://www.fsc.go.jp/sonota/cochineal.pdf


このコチニール色素によるアレルギーには大きく3つの分類があります。

・喘息や鼻炎、結膜炎
・化粧品などによる接触皮膚炎
・経口摂取による症状

とくに、経口摂取は呼吸器症状蕁麻疹血管性浮腫など、多臓器に症状が及び、重篤なアナフィラキシー症状となることが報告されています。

そして、重篤なアナフィラキシー症例は女性に多くみられ、その原因として挙げられているのが化粧品に含まれるコチニール色素ということでした。

なぜ女性にこのような症例が多いのかというと、口紅・マスカラ・アイシャドーなどに含まれるコチニール色素に皮膚や唇が触れることでアレルギーの感作(特定のアレルギーの原因物質(=抗原・この場合はコチニール色素)に対し過敏状態になること)が起こり、その後にコチニール色素が添加された食品を経口摂取することで、アナフィラキシー症状を起こすと考えられているそうです。

とくにマスク生活が続き、最近はアイメイクが重視されています。
このアイメイクに使用する化粧品にコチニール色素が含まれていると、皮膚が薄く、乾燥しがちでバリア機能が弱い目の周辺や目蓋に感作による皮膚炎が現れ、そこからアレルギーが発現するパターンが増えているそうです。


写真はイメージです

これは2011年に「加水分解コムギ末」を使用した美容石けんによるアレルギーと同様です。


石けんの原料にアレルゲンとなった物質(グルパール19S・加水分解コムギ末)が含まれており、毎日の洗顔のたびアレルゲンが肌に触れることで、小麦に対し免疫細胞が感作し、その後、パンやパスタなどの小麦を使用した食べ物を摂取することで重篤なアレルギーを発症しました。



実際に今回のコチニール色素でアナフィラキシー症状を起こした方の多くが、食品でアレルギーを起こすにコチニール色素を使用した赤色系の化粧品で接触皮膚炎(かぶれなど)を起こしたことがあるというデータがありました。

コチニール色素はオレンジ赤紫色に変化させることができ、天然由来成分でありながら発色が良く安定性も高いため、今でも多くの化粧品や食品に使用されています。
最近ではアレルギーの元(アレルゲン)を抑えた「低アレルゲンコチニール色素」への切り替えが進んでいます。


写真はイメージです

コチニール色素によるアレルギーは一般的な食品アレルギーに比べて症例数も少ないですが、「食べる」以外の間接的な要因でも重篤なアレルギーが起こる可能性があることがわかります。
化粧品による皮膚炎などが継続的に起こるような場合は、その化粧品の使用を控え、早めに皮膚科やアレルギー科の病院で診察することが重篤化を防ぐポイントです。

また、接触性のアレルギーは肌が荒れていても起こりやすくなります。
日ごろのスキンケア・・・特に保湿は肌のバリア機能維持に大変重要なケアとなります。肌のバリア機能が健全であれば、アレルギーに限らずシミやシワなどの予防にもなります。そのため時期にかかわらず気を配るようにしてください。

 



なお、スキンロジカルシリーズはすべての商品に着色をしておりませんので、コチニール色素も使用しておりません。

市販の化粧品・・・とくに赤系のメークアップ化粧品を使用する際は、

・全成分表を確認する
・サンプルを使ってみる
・不明点は製造販売元に問い合わせる

また、

・心配な場合は使用を避ける

といった対策を行ってみてください。

そして万が一にも皮膚炎と疑わしい症状があった場合は、使用を中止して専門の病院に相談してみてください。


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