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トラネキサム酸に新しい美容効果が?

こんにちは、スキンロジカルスタッフです。
先日、横浜で開催されておりましたCITE(化粧品産業技術展)に行ってまいりました。

新型の安定型ビタミンCやフィチン酸と相性の良いアンチエイジング原料など、見る点の多い展示会でしたが、今回一番気になっていたのが「トラネキサム酸」の新しい知見についてでした。

従来、トラネキサム酸は「美白」特に「肝斑」に対して効果があり医薬部外品の成分として承認されています。
また、それ以外にも肌荒れや炎症にも効果があることが知られていました。

さらに、そのトラネキサム酸に今回「光老化」に対する改善効果があることが
実験によってわかったとの技術発表がありました。

最近はメジャーになってきた「光老化」名前の通り、紫外線・・・とくに波長の長いUVAにより、肌に存在する線維性のタンパク質であるコラーゲエラスチンといったハリを保つために必要な組織が破壊され、それによって肌表面には深いシワといった「老化現象」となって現れるものです

最近では、肌の老化現象のうち、80%が光老化によるものとされているくらい、エイジングケアにとって光老化は重要なキーワードの一つとなっています。

その「光老化」の対策としては、

・紫外線を必要以上に浴びない
・日焼け止めの使用
・日傘の使用
・抗酸化成分であるビタミンCやビタミンEなどでのケア

がありますが、その中に「トラネキサム酸」によるケアがプラスされるようになるかもしれません。

「トラネキサム酸」による「光老化」へのアプローチは壊されたコラーゲンエラスチンといった「線維細胞を修復する」ことにあります。
繊維細胞を修復することで、肌のシワを改善に導くことができるそうです。

さらに「トラネキサム酸」は、従来皮膚上部で美白の効果を発揮するといわれてきましたが、今回、肌の深部上層でも「メラニンの」抑制効果認められたそうです。

「肝斑・美白・抗炎症」にプラスして新しく「光老化」に対する効果が期待できるようになった「トラネキサム酸」

ちなみに実験ではトラネキサム酸を2%濃度以下で行っており、一般的なトラネキサム酸配合の医薬部外品扱いの化粧品であれば効果は望めそうです。

まだ皮膚モデルでの研究結果で臨床はこの先となりますが、さらに研究が進むことで、有用な「光老化」対策成分として、トラネキサム酸に注目が集まる可能性があるかもしれません。

トラネキサム酸はイオン導入で

トラネキサム酸と肝斑

濃度の高さ = 効果の高さ?

こんにちは、スキンロジカルスタッフです。

やっとインフルエンザの大流行も陰りが見え始めていますが、はしかや風疹などがはやっているとのことで、なかなか気を休めることもできない日が続いています。

さて、今回は化粧品に含まれる成分の濃度について。

化粧品にはいろいろな成分が含まれています。
水をはじめとした基材に、肌を健やかに保つために様々な成分を配合していますが、その成分の濃度も様々です。

一般的に、成分は濃度が高ければ高いほど効果があることが多いのですが、実は成分に
より変わってきます。

例えば、当店の商品に多く配合されている「ビタミンC誘導体」という成分は、肌への
影響に限ると、一定の濃度までは濃度に比例して上がっていく「濃度依存型」となります。

しかし、それを超えると効果がほとんど変わらなくなります。
また、濃度が上がれば上がるほど肌への刺激は強くなり、肌荒れの元となったり、乾燥が強まりますので、そういった意味では濃度の高さが肌トラブルの原因ともなりえます。
つまり、「濃度が高い」ことはかならずしも「効果が高い」とならないのです。

こういった性状をもつ成分は多く、

「この美容液は〇〇が96%ですごい」
「これは美容成分が少なくて効果がなさそう」

という理由で一概に括ることができません。

その他にも、何種類もある「ビタミンCの誘導体」は、ベースとなるビタミンCに結合させる成分によって、それぞれの特徴を持った成分となりますが、実はピュアビタミンCに含まれるビタミンCを100%とした時に、ビタミンC含有率や、吸収された成分が肌でビタミンCに変換される率がすべて違います。

ビタミンC誘導体が1gに含まれるビタミン量が20%のもので変換率が50%とすると、ピュアビタミンC1gに対して実際には0.1g程度にしかなりません。
※1g x 20%=0.2g(実ビタミンC量) そのうちの50%がビタミンCになるので、ビタミンCとして働けるのは0.1g)

もちろん、条件などによって大きく変わりますので乱暴にひとくくりにはできませんが、油溶性のビタミンC誘導体は濃度が高く配合されていることが多く、水溶性の
ビタミンC誘導体がそれに比べて低いのは価格や効果といった部分以外にもこういった理由も関係しています。

さらに、実際に化粧品として製造する場合には、配合する他の成分との相性やpH、使用目的、安定性、販売方法など様々な状況から適正な濃度となるように調整しています。

逆に言えば、原料からご自身で化粧品を作られる場合は濃度などをある程度自由に変更することもできますが、反面、上でお話ししたようにリスクも多くなりますので、販売サイトでの適正な使用方法をきちんと守ることが重要です。

トラネキサム酸イオン導入化粧水の発売秘話

こんにちは、スキンロジカルの田中です。

今回は、当社の商品「TAパウダー」「トラネキサム酸パウダー」の発売に至るお話をしたいと思います。

発売から、すでに1年を経過しましたこの2商品ですが、どちらも種別は“化粧品原料”としている、成分そのものの粉末です。

なぜ、他のイオン導入化粧水のように“液体”の化粧品をして商品化していないのか?皆さんも不思議に思われていることでしょう。

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トラネキサム酸については、かなり以前よりお客様からお問い合わせや要望をいただいておりましした。

「トラネキサム酸のイオン導入液はないのですか?」

「貴社の製品力なら、きっとイオン導入液をつくれるはずですから期待しています」

美白の効果が高く、その中でも特に“肝斑”と呼ばれる独特のシミに効果が高いとして、まずは服用薬からその名が有名になった成分のトラネキサム酸ですが、美容通の方はすでにトラネキサム酸がイオン導入可能な成分ということをご存じでしたので、このようなお問い合わせを沢山頂戴していたのです。

そこで、当社も新たなイオン導入化粧水としてトラネキサム酸を配合した化粧水を製造したいと考えていました。

 

☆ 医薬部外品という制約 ☆

ところが、現在の化粧品の製造販売に関する法律“薬事法”では、トラネキサム酸を配合した化粧品にはいくつかの決まりがあります。

トラネキサム酸配合の化粧品は「医薬部外品」扱いとなるということです。

「医薬部外品」を製造するには、その企業が化粧品の製造とは別に医薬部外品の製造の許可が必要です。また「医薬部外品」は、その商品の効果の検証を証明しなければなりません。

 (当社は、東京都の「化粧品製造業」と「化粧品製造販売業」の許可を受けています)

この二つをクリアにするためには、莫大な費用もかかります。ですから「医薬部外品」扱いの化粧品には、「医薬部外品」の認定をとるために要した経費が商品価格に反映されているということでもあります。

また、「医薬部外品」では一定の成分に対して配合する濃度が決められています。

〇%入れなければいけない

ということです。

トラネキサム酸の場合はこれが2%ですので、市場で販売されているトラネキサム酸配合の化粧品は、トラネキサム酸を2%配合しているということです。

 

☆ トラネキサム酸原料との出会い ☆

医薬部外品以外で、トラネキサム酸配合のイオン導入できる化粧品をなんとかお客様へ提供できないか・・・?このように考えていたところ、「トラネキサム酸」そのものへたどり着きました。

原料としての「トラネキサム酸」は、白くサラサラとした粉末です。そして、“水に溶けやすい”という特徴があります。

原料を製造している会社によると、皮膚科や美容クリニックなどでは、この「トラネキサム酸」の粉末を院内で溶液にしたり、クリームに混ぜるなどして処方し、患者さんへ提供しているとのことでした。病院では、処方となりますから「医薬部外品」の製造許可がなくても販売が出来る訳で、その濃度も自由に調整することが可能なわけです。

 

☆ 使う方自身に精製していただく ☆

なるほど!と思いました。

原料としての「トラネキサム酸」粉末は、まだ化粧品というカテゴリーにはありませんから、当社で販売することに何ら問題はありません。

また、“水に溶けやすい”という特徴がありますから、家庭でも簡単に溶液にすることができます。

そこで、原料の粉を購入していただき、ご自分で水に溶かして化粧水を作って頂く、

手作り化粧水としての販売をすることになりました。

 

☆ 手作りの嬉しい副産物 ☆

このようにして誕生した、原料を水に溶かして自分で作るという珍しい「手作り化粧水」ですが

蓋をあけてみると、通常の溶液タイプの化粧水にはない嬉しい副産物がありました。

 

♪ 新鮮!・・・だから、防腐剤等の添加物は一切なし

使う分だけ、必要な時に少量ずつつくるため、長期間保管することがありません。そのため、品質の変化を防ぐため防腐剤や酸化防止のための成分などを配合する必要がなく、溶液は純粋に「トラネキサム酸」という肌に与えたい成分だけが配合されたものです。市販の化粧水では、まずこのようなものはあり得ません。(水以外に化粧水などに溶かした場合はこの限りではありません)

♪ 自分で濃度調整が可能

医薬部外化粧品でのトラネキサム酸濃度は、約2%と決められていますが、手作り化粧水の場合は、自分で自由に濃度を調整することができます。

推奨の作り方(1gを20mLで溶かす)で精製すると、約5%の濃度になります。この5%という濃度は、皮膚科や美容クリニックなどで処方されているものと同様です。濃度は高ければ高いほど効果も大きくはなりますが、一方で刺激も強くなり肌が赤くなるなどしますので、5%くらいが刺激のない範囲で最大限に効果が発揮できる濃度と考えられています。

この5%濃度を目安として、自分の肌の状態に合わせて濃度を調整することができるのは、手作り化粧品ならではです。

 

☆ 手に入りにくい、濃度と純度が高い化粧水をお手軽に ☆

現在、5%の高濃度のトラネキサム酸配合化粧品を入手するとしたら、病院で処方してもらうしかありません。その場合は、診察を受ける時間もお金も理由も必要です。

スキンロジカルでは、化粧品原料としてパウダータイプの商品で販売することによって、いつでも気軽にお求めいだだき、ご自分に合った使い方で使っていただくことができるようにしました。

溶かし方も、推奨の方法と溶剤(溶かす液)の種類に気を付けて頂く点はありますが※、ご自分で最適な方法を見つけて頂くと、オリジナルの化粧水として美しい肌へ導いていくれるベストアイテムになることは間違いありません。

 

※【TAパウダー】は、APPS(ビタミンC誘導体)がトラネキサム酸とともに配合されているため、ほかの種類のビタミンC誘導体(APS・APM)配合の化粧水(アミノシーローション、VCローション、PCローションなど)には溶けにくいので、これらは溶液として使用しないでください。

 

※【トラネキサム酸パウダー】は、水に溶かすと弱アルカリ性となります。弱酸性の【スキンロジカル リファインローション】に溶かすと、中性となりイオン導入の効果がかなり弱くなりますので、溶液に【スキンロジカル リファインローション】を使うことは避けてください。【トラネキサム酸パウダー】は、トラネキサム酸が水に溶けやすいため、振って攪拌することができます。

 

※【TAパウダー】も弱アルカリ性ですが、APPSが一緒に配合されているぶんアルカリ度が高いため、弱酸性の【スキンロジカル リファインローション】に溶かしても中性にはならず、弱アルカリ性を保つことができます。そこで【スキンロジカル リファインローション】に溶かした場合でも(-)でイオン導入することができます。

 

トラネキサム酸を配合した商品

 

トラネキサム酸とAPPSを配合した原料パウダー

トラネキサム酸だけの原料パウダー

 

トラネキサム酸パウダーのお得な大容量タイプ

ヘレンド展

こんにちは、スキンロジカルの田中です。

立春を過ぎても、少しも暖かくなりませんね( ;∀;)

せめて、気持ちだけでも春を感じたい!と思い、先日「ヘレンド展」を観てまいりました。

場所は、パナソニック汐留ミュージアムです。

こちらのミュージアムは、以前に別の展示会の最終日に駆け込んで、大変な目にあったことがありましたので(小規模なので・・・)、今回は初日が開いて間もなく、時間も早めにでかけましらた、ほどよい来場者でした。

ヘレンドは、現在は百貨店の高級食器売り場でも販売されている、ハンガリーの磁器メーカーで、所在地の地名でもあります。製品は、ヨーロッパ諸国の王室にも納められてきました。

 

作業は、完全分業制。

造形部分の紐を編み込んだような網目のワークは、もう芸術品で、手作業ならではの作品です。

現在の一般向けに販売されているシリーズも絵付けは、プリントではなくひとつひとつ手書きなのです。同じシリーズでも、ひとつひとつ微妙に異なるのはそのためです。

 

この展覧会では、シノワズリーの作品が多数展示されていました。

ポットの蓋のつまみ部分やカップの取っ手が、三角の帽子を被った中国人?の形になっていたり

鮮やかで多彩な絵付けは、古伊万里に通じるところがあります。

19世紀半ばごろのヨーロッパでは、東洋の磁器が大変人気があり、複製をつくることでヨーロッパ独自のアジア観である「シノワズリー」といジャンルのこういったデザインに発展したのですね。

私も、とても気に入ったピンクのシノワズリー「皇帝」というシリーズ。

蓋のつまみ部分やカップの取っ手、トレーの足が可愛い漢人です。

トレーの縁は、手の込んだ透かし彫りになっています。

※写真は展覧会の公式HPよりお借りしました。

 

展覧会は撮影禁止ですが、出口付近にヘレンドを使用したテーブルコーディネートが展示してあり、こちらは撮影OKでした。

こちらで使われているのは、現在も一般販売されていてメジャーな「アポニー・グリーン」シリーズです。黄色のクロスと花を使っているところが(黄色は中国では皇帝を表す色)、シノワズリーを意識したアレンジメントになっているようです。

 

ビルの1Fには、パナソニックのショールームがあるのですが、こちらでもヘレンドを使ったテーブルコーディネートが展示されています。

 

こちらはは、「ヴィクトリア」シリーズを使った6人用のディナーセッティング。

イギリスのヴィクトリア女王が発注したことから名前のついたシリーズです。色とりどりの花に蝶など、食器だけでもお花畑にいるようです。

帰りには、オリジナルグッズを沢山購入しました。(手前のメモリアル・ローズの葉書は会場で頂戴しました)

ヘレンド展は、3/21日まで開催です。楽しいですよ!

 

[スキンロジカル オフィシャルショップ]では、2月末まで【トラネキサム酸パウダー】をお試し価格で限定販売しています。

 

 

トラネキサム酸と肝斑

こんにちは、スキンロジカルの田中です。

今日は、美容に関するお話を・・・

スキンロジカルで、12/1のトラネキサム酸パウダーが発売されました!

【スキンロジカル トラネキサム酸パウダー】 1g×10包 15,660円                                          ↓      ↓      ↓      ↓

トラネキサム酸は、イオン導入に適した成分でもあり、ずっと以前から「トラネキサム酸のイオン導入液を作ってほしい」とのご要望をお客様から頂いていたのです。

美白成分には、ビタミンCを始めとして、アルブチン酸など沢山の成分がありますが、肝斑と言われる独特のシミ(目の周囲や、口も周囲などにぼんやりと左右対称にできるシミ)への効果が期待できる唯一の成分と言われています。通常のシミは、化粧品成分などのほか、レーザー治療などでも改善することができるといわれていますが、今のところ肝斑に効くのはトラネキサム酸だけということです。

けれども、トラネキサム酸を化粧品に原料として使用するには、越えなければならないハードルがいろいろとありました。

・特許の問題

・原料価の問題

・医薬部外品の問題

などなど、当社のようにあまり大きくない化粧品製造会社にとっては、困難な問題がいろいろとあり、開発して商品化することは、正直言って無理かと思っていました。

現在でも、トラネキサム酸を配合した化粧品はまだまだ少ないですよね?それは、こんな事情があるからなのです。

 

ところが、化粧品の「原料」として、パウダーで販売し、ご購入者自身で水に溶かして化粧水を作っていただくという形をとることで、上記の3つの点をクリアーすることができたのです!

さらには!市販で販売されているトラネキサム配合のローションは、配合量が3%と決まっています。スキンロジカルの原料パウダーで作れは、濃度をご自由に調節することができます。(推奨は1g/20mLの4%)

品質を保つための、あれやこれや成分も一切配合していない、純粋なトラネキサム酸だけのの水溶液が作れるのです。

いいことだらけ!

 

少し話が変わりますが、飲むタイプのトラネキサム酸をご存知ですか?

薬局へ行けば販売していますし、美容クリニックなどでも処方しくれます。

これが結構お値段がするうえに、もう一つ厄介な問題があるのです。

トラネキサム酸の働きに「プラスミンの働きを阻害」することで、美白をいざなうのですが

その副作用として、プラスミンは血栓を溶かす働きがあるのですがそれが鈍るため、「血栓ができやすくなる可能性がある」ということなんです。

血栓ができたら・・・心筋梗塞や脳梗塞など、重篤な病気になる可能性もあるのです。

怖いですね。

ですから、飲むトラネキサム酸は医師の処方や薬剤師の説明が必要な薬に指定されているんです。

 

こんな副作用も、化粧品として肌につけるのであれば、まったく起こることがありません。

 

私も、肝斑を含むシミがとても気になっていて、トラネキサム酸パウダーのイオン導入と錠剤の飲用を併用しています。before→afterを記録していないのが残念ですが、目の周りの肝斑が以前よ薄くなってきました。

ちなみにこちらは、飲用しているトラネキサム酸です。(市販のもの)

 

※おススメしているわけではありません。←これ重要